緋色の花
[六番目の記憶]
昏い森に横たわる [赦さない 赦さない] 手負いの兵を囚えた [赦さない 赦さない]
少女は闇を見つめて [赦さない 赦さない] 紅玉(Ruby)の微笑を浮かべた・・・ [赦さない 赦さない]
緋い空を見上げてた 風に流される茜雲
沈まぬ夕陽を見上げてた 幾千の影が森を駈けてゆく
偽りの黄昏に染った 戦場を焦がした焔は揺れ躍る
唯守るべきモノの為『私』は戦う
けれど大地に縛られた身体は動かない・・・
[忘レモノハ在リマセンカ…]
少女の囁きは森の魔性
我を穢す者には災いを
終わりなき呪われた輪廻を
[忘レモノハ在リマセンカ…]
彼らを突き動かす法則
大切なモノを守る為
大切なモノを奪い続けるという矛盾
[ねぇ...本当に『大切なもの』って何?]
指針となるのは主観と謂う名の怪物(Monster)
鳴呼...また一輪...
兵隊が花を踏みつけて行く・・・
[忘レモノハ在リマセンカ…]
狂った自我(Ego)が視せる幻想 歪な螺旋を描いて繰り返す
醒めない悪夢に苛まれ続ける『ワタシ』は
柘榴石の雨のような(Like the rain of garnet) 鮮血に染まった緋色の花(Flower)
森の彼方から足音響かせ駈けて来る
鳴呼...『私』が『ワタシ』を踏み潰しにやって来る・・・
[赦さない 赦さない]
[赦さない 赦さない]
[赦さない 赦さない]