ゆりかご
[七番目の記憶]
ゆりかごの中 まどろむように
たゆたう季節は 暁の春
爽やかな風 鳥の歌声
暖かな灯は 揺れる木洩れ日
岬へと続いてる なだらかな道・・・
すれ違う人 朗らかな声
言葉を交わす 穏やかな午後
静かに眠る 幼い坊や
「ぐずつきもせず 良い子なんです」と
母親は誇らしげに 微笑んでいる・・・
[忘レモノハ在リマセンカ…]
幸せそうな在りし日の影(Shadow) 繰り返される幻想の日々
狂気に気付いても誰が言えよう
抱いているその子は『もう骨になってる』と・・・
[ゆりかごに抱かれるような 忘却の眠りを]
女は今日も我が子の亡骸を抱いてさまよう・・・
[ゆりかごに抱かれるような 忘却の眠りを]
揺らぐ水底 思い出さない方が幸せな忘れ物・・・
[ゆりかごに抱かれるような 忘却の眠りを]
少年と少女がそれをも喪失(Lost)と呼ぶのなら・・・
[ゆりかごに抱かれるような 忘却の眠りを]
その日の空は 何処までも蒼く澄み渡るだろう・・・
[ゆりかごに抱かれるような 忘却の眠りを]